これだけはマスターしておきたい?ハノンとインベンション

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みなさまこんにちは。私は幼少期から花粉症を患っており、この時期になると毎年憂鬱になってきます。特に困るのが洗濯物で、外で干すともれなく花粉が家の中に侵入してくるため、止むを得ず浴室乾燥機に頼るしかありません。花粉症のみなさまはどのような方法でこの時期を乗り切っていますでしょうか?

話は変わりますが、みなさまは普段どのような作品を練習していますでしょうか?

好きなポピュラーソングのピアノ編曲版という方もいれば、クラシックやジャズの名曲のなかで弾きやすいものを選んでいる。という方もいらっしゃるかと思います。そんな中、レッスンを受けていると習っている先生などに「ツェルニーなんかの練習曲もやってみましょう」と言われることはないでしょうか?

「えー練習曲かぁ。難しいし退屈だし、嫌だなぁ…」

多くのみなさまはきっとこう思うのではないでしょうか?安心してください、私も幼少期は同じことを思っていました。練習曲って難しいし、訓練のための曲が多いからあんまりいい曲じゃないことも多いですよね。いかにも”ピアノのお稽古”って感じで大変ですし。

決してみなさまの先生方は嫌がらせで練習曲をやらせようとしているわけではなく、しっかりとした目的を持って課題を与えていらっしゃいます。しかし、実際問題多くの生徒さんがこの段階で躓いてしまうことが多いかと思います。

そこで、練習曲をどうしてやらないといけないのか?について説明させて頂きたいと思います。

練習曲ってなんでやらないとダメなの?

みなさまそれぞれに好きな曲、憧れの曲などがあると思います。しかし、いざ演奏してみよう!と張り切って取り組んでみると、中にはとても難しくて弾きづらい部分が現れると思います。

楽曲とは様々な要素の集合体です。これに関しては技術面においても言えるでしょう。すごく簡単に弾ける部分もあれば、やたらと技巧的なパッセージが盛り込まれている部分もあります。中には「簡単なところだけ弾けたらいいや!」という方もいるかとは思いますが、全て通して弾ききった時の達成感はやはり素晴らしいものです。そのためには何としても難しい部分を攻略する必要があります。しかし、何度練習してみても一向に上手くならないこともあります。

そういった場合の多くは段階的に習得する必要のあるスキルがまだ不十分であることが多いです。例えばアルペジオなどでも、基本的なドミソのアルペジオが弾けないのに、ドビュッシーなどの複雑なアルペジオを弾こうとするのは困難です。刺身の柵ですら歪な形にしか切れない人(私のことです)が魚一匹を丸々捌けないのと同じです。

そのために前段階として習得しておきたいスキルを手に入れるための練習曲が課題として出されるのです。練習曲は曲全体を通して一つのスキルを習得することに特化した作りになっていることが多いです。最速で技術を習得するには最も効率が良い方法となっています。ですので、先生が与えてくださった課題をめげずにやってみるというのも時には必要かもしれません。

とはいえ、やっぱり全部やるのは難しい…

はい、ここまで偉そうなことを書いておきながら、私は幼少期から極度の飽き性かつ面倒くさがりやでして…あろうことか練習曲の大半をスキップしてしまいました。

音楽家を目指しておきながらこの体たらく…この事に関しては全く誇れることではなく、そのせいで後々苦労もしましたので只々自分に対して呆れるばかりです。

とはいえ、さすがに曲集自体は持っていますし、それぞれ摘み食い的に取り組んではきました(中には1~2曲しかやらなかったものも)。そんな飽き性の私でさえもがこれだけはやっておいたほうがが良いと思った練習曲集をお伝えしたいと思います。

それは、ハノンピアノ教本とバッハのインベンション、シンフォニアです!

もちろんどちらもご存知かと思いますし、一度は何かしらの作品を触った事がある方のほうが多いかと思います。これら2つの練習曲集だけは是非ともみなさま取り組んでいただきたく思います。

なぜこの二冊なのか?

それでは、これら二冊の曲集がなぜ大切かということについてご説明させていただきます。

まず一つ共通して言えることが、ピアノ演奏技術と音楽性の両面における根源的要素が詰まっているということです。

例えば、スケールとアルペジオは技術面において全ての技巧の元となっていると思います。一見上がったり下がったりしてるだけのようですが、それをいかに美しく正確に行えるかによって、応用がいくらでも効いてきます。ハノンピアノ教本には全調のスケール、アルペジオが収録されています。また、第一部や第二部の音階の練習も役に立つことが多いです。

バッハのインベンション、シンフォニアは歌心を身につけるのにとても適していると考えています。バロックの音楽というとなんとなく堅苦しいイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、バロック音楽は本来、感情表現を重要視しているジャンルでもあります。インベンション、シンフォニアではソプラノだけでなく、バス、内声部においても美しく歌う必要があります。特に左手を使った歌い方の練習にはとても有効となるでしょう。

私が唯一全曲踏破した練習曲集であるために少し肩入れしてしまっている部分があるかもしれませんが、個人的にはこの曲集の作品は音楽的魅力がとても高いと思っています。そのため、音楽全体を魅力的に仕上げる練習にも最適です。

この二冊を並行して勉強していけばクラシックはもちろんですが、ピアノを弾くということへのハードルが一段階下がると思います。そうすれば、自分の好きな曲をある程度自由に演奏することができるようになり、もっとピアノが楽しくなると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください!

おわりに

いかがでしたでしょうか?なかなか共感し難い内容もあったかもしれませんが…まずはバッハのインベンション、有名な1番だけでもいいので取り組んでみてください!もちろん他にもたくさんの曲がありますので、レッスンにお越しいただいた際には一人一人の実力に応じた課題を提案させていただきます。もしご興味を持たれましたら、ぜひ体験レッスンにお越しくださいますと幸いです!

次の記事:ピアノ練習法:フレーズの歌いかた (3/22公開予定、公開後リンクで飛べるようになります)

AUTHER

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「こ……

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